2022年度は東京高専との共同研究の論文が出ました。豊橋技科大は歴史的に高専との結びつきが強く、学部学生の8割が高専編入という特徴があります。さらに技科大と高専との共同研究を推奨するグラントもあり、その支援を受けての共同研究でした。研究内容は視覚の感度は一日の時間帯でいつ良いのか?という概日リズムに関わるものです。これまで取り組んでこなかった分野だけに、大変刺激的な研究となりました。まずは一報ですが、近日中により面白い結果の二報めを報告できる予定です。
学外の仕事としては、視覚科学フォーラムの運営を任されて2年目、研究会を開催するためのハイブリット会議のノウハウもたまってきました。オンラインを含めて150人程度の規模の研究会であれば予算僅少でも開催できる自信もついてきました。結局のところ会の成功に重要なのは招待講演や企画であって、そのための人選が何より大切です。それを一人で運営することはとても無理で、視覚科学フォーラムの実行委員の方々のアイディアに助けられています。今後も有意義な会を続けていきたいと考えています。
私の関心は視覚の科学的解明ですが、工学部としては社会貢献や企業との連携も重要です。年に1回「視覚との画像の基礎講座」という学会企画で講師を務めさせていただいています。聴講者は企業の方が多く、大学や学会とは違う雰囲気で刺激を受けています。基礎研究と企業を繋ぐのは大学の使命でもあり、そのためには様々な人たちとの交流が重要です。今年度も基礎講座、市民講習会などを計画しています。
以上のように研究、社会貢献、教育をバランスよく配分して研究室運営を、そして大学や視覚科学領域を引き続き盛り上げていきたい所存です。